日常診療で、患者様から
「ニキビをつぶしたらシミになる」
と何度か耳にしたことがあります。
これってウソ?ホント?どちらだと思われますか?
正解は
ある意味ホントですし、ある意味ウソです。
説明しますね。
通常ニキビはいくつかの段階があります。
まず、毛穴の周りの角質が厚くなり、
毛穴の中の隙間に古い皮脂や角質が充満します。
簡単にいうと毛穴がつまった状態です。
これが、ニキビの始まりです。
この毛穴のつまりが、適切なスキンケアや治療で改善
されれば、ニキビは跡形もなく治ります。
しかし、この毛穴のつまりが
しばらく続いてしまうと、
次第に毛穴の中でアクネ菌が増殖し、
やがては、炎症反応をきたし、
赤いニキビや膿を持ったニキビへと進行します。
赤くなったニキビが落ち着くと
シミや
赤味が残ったり、
凹みの目立つニキビ跡(俗にいうアバタ)や
盛り上がりのあるニキビ跡
になることがあります。
何が言いたいかといいますと、
「赤いニキビは
つぶしてもつぶさなくてもシミになる運命」
なのです。
皮膚に何らかの原因で炎症がおこると
(何らかの原因とは、
やけど、湿疹、擦り傷、ニキビ・・・などです)、
炎症がおさまったあと、
一時的にシミになります。
これを炎症後色素沈着といいます。
では、「ニキビはつぶすのが良いのか?悪いのか?」
膿をもったニキビは、
膿を物理的に出した方が、
炎症がおさまるのが早いです。
しかし、自分でつぶすと
かえって感染を悪化させることもあるので、
やはり、皮膚科や美容皮膚科で
滅菌した清潔な器具を使って膿を出してもらった方が
良いと思います。
「ニキビだけで病院にかかりにくい・・・」
なんてことは気にせずに堂々と受診して大丈夫です!
ニキビ治療の新薬も保険診療で処方できますし、
ニキビは皮膚科で治療する時代です!(キッパリ)
(`・ω・´)
私自身が昔ニキビに悩んでいたこともあり、
ニキビの話になるとついつい熱くなり
長文になりましたので、
炎症後色素沈着についてはまた次の機会に。